2012年1月28日土曜日

CT検査による放射線の危険性とは? - part 1




テレビで放射線科のお医者さんが,CTスキャンでも10ミリシーベルトの被ばくを受ける,100ミリシーベルト未満の被ばくの健康被害はよくわかっていないと言っていました.本当ですか?(国内在住,男性)
その方は本当にお医者さんですか?
ICRPなどの国際機関が定める,放射線防護の基準は,年々厳しくなっています. それは,いままでわかっていなかった,低線量の被ばくによる健康被害が, 次々と明らかになってきているからです.
FDA(米国食品医薬品局.日本の厚生労働省に相当し,医薬品や医療機器の承認と監視を行う政府機関)は, CTスキャンの危険性に関するデータを公表し, CTスキャンによる被ばく量をできる限り減らすように警告しています.
とても重要な文書ですので,翻訳しておきますね.

CT検査による放射線の危険性とは?
小児科においてCTスキャンの使用が急増し,子供が以前よりも多くの放射線被ばくにさらされる可能性があることから,小児科でのCTスキャンの使用については特別な検討が行われるべきです.
1回のCTスキャンによる被ばく量は,5mSvから60mSvとなる可能性があります. そして,CTスキャンを受ける子供のうち,約3分の1は,少なくとも3回のCTスキャン検査を受けます.
米国国立がん研究所と米国小児放射線学会は,「放射線の危険性と小児科におけるCTスキャン:医療関係者へのガイド」("Radiation Risks and Pediatric Computed Tomography: A Guide for Health Care Providers" [1])という名前のパンフレットを作成しています.
また,FDA米国食品医薬品局は,「小児および若年層患者におけるCTによる放射線被ばくの危険性を減らすために」("Reducing Radiation Risk from Computed Tomography for Pediatric and Small Adult Patients" [2])と題された公衆衛生に関わる通知を行っています.
これらの資料では,CTの利用価値と,被ばく量を最小限に減らすことの重要性,特に子供の患者に対しては被ばく量を最小限に減らすことが重要であるということについて,議論が行われています.
最近の研究成果については,New England Journal of Medicine (NEJM)の,「Computed Tomography(CT) - 増え続ける,放射線被ばくの原因」("Computed Tomography (CT) - An Increasing Source of Radiation Exposure" [3] [4])を参照してください.

FDA(U.S. Food and Drug Administration)
"What are the Radiation Risks from CT ?" [5] から抜粋


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