米軍による200Km圏の汚染状況の実測結果
http://hahatoko.blogspot.com/2011/05/km.html
P.7 訳者による補足、放射線量の「意味」を考えるヒント
は、わかりやすく便利だと思いました。きちんと理由(計算式)まで書いてあるところが、また良いです。(国内在住、女性)
お役に立てて嬉しいです。実は文書の改訂で、上記資料の中からは、おほめいただいた箇所が削除されています。関連する部分を以下、掲載します。
放射線量の「意味」を考えるヒント1
読者はこの文書にかかれてある数値の意味を,自分で確認してください.必要な知識は電卓をつかって「かけ算ができること」だけです.
(1)1年は何時間?
(こたえ)24 x 365 = 8750 時間
(2)日本の法律で一般市民が1年間に被曝してよいとされる放射線量は?
(こたえ)1 mSv(ミリシーベルト)
(3)日本の法律で一般市民が被曝してよいとされる放射線量は,1時間あたりになおすと約 mSv(ミリシーベルト)?
(こたえ)0.0001 mSv(ミリシーベルト)
1 ÷ 8750 = 0.00011...
(4)日本の法律で一般市民が被曝してよいとされる放射線量は,1時間あたりにすると約 μSv(マイクロシーベルト)?
(こたえ)0.1 μSv(マイクロシーベルト)
0.0001 mSv = 0.1 μSv(マイクロシーベルト)
(5)日本の文部科学省が定めた,福島県の幼稚園,学校の野外活動を制限する「暫定」基準値は1時間あたり3.8μSv(マイクロシーベルト)です.これは上の(4)で求めた1時間あたりの放射線量の何倍?
(こたえ)38 倍
(6)上の「暫定」基準値ぎりぎりの強さの放射線を,毎日1時間だけ,18年間受けた場合の被曝量は?(これは被曝の危険性をかなりひかえめに見積もった場合です)
(こたえ)約25 mSv(ミリシーベルト)
3.8 x 1 x 365 x 18 = 24966 μSv(マイクロシーベルト)
(7)18年間で合計25mSv(ミリシーベルト)の被曝をうけるとどうなる?
(こたえ)放射線量の「意味」を考えるヒント2を読んでください
参考までに、日本の文部科学省が採用している、児童の被ばく量の計算式は、もっと複雑です。
学校において受ける線量の計算方法について(平成23年8月26日)
文部科学省の数式は「学問上は」より正確なものです.
しかし数式を複雑にして「学問上は」より正確な値を出しても、かえって子供たちを重大な危険にさらしているだけなのではないか と hahatoko は疑問に思います。その理由は、
(1)そもそも、放射性ダスト(放射線を出すほこり、ちりのようなもの)を子供たちが呼吸することによる「呼吸による内部被ばく」の影響を無視、または軽視している。
(2)計算の出発点となる、グラウンドにおける放射線量は、HORIBA製作所のRADI(ラディ)で測られていることが多い。しかしこの計測機はもともと放射線の学習用に開発されたもので、人の健康、生命に関わるような計測で使用できるものではない。このことはメーカーのホームページに書いてある。
(3)放射線の中でも特に簡単に測れる「ガンマ線」だけを測り、それ以外の放射線による被ばく、特にベータ線を無視している。
つまり、もともとかなり大雑把に測って、子供たちの危険を過小評価(小さく見積もること)しているのに、数式を使ってさらに値を小さくしているわけです。
文部科学省の計算式にはもっとわかり易い、重要な意味があります。
(1)学校の外での被ばくは、文部科学省には関係ない話なので無視する。
(2)学校の中でも、校舎の中にいる時間の方が長いので、その間の被ばく量は 0.2倍 とする。
この国の中で最も優秀な頭脳を持つはずの彼らが、なぜこのようなことをするのか hahatoko には理解できません。 どのような測定をして、どのようなデータ処理を行って、出てきた数値をどう使って、子供たちの健康を守るのか、 というストラテジーが欠けているのかもしれません。
米軍による200Km圏の汚染状況の実測結果
http://hahatoko.blogspot.com/2011/05/km.html
確かに訳だけを読むと安全性が高いように誤解しますね。
(中略)
・・・なぜか安心を装った?文章ですね。
だから機密文書じゃないのかな(^^;
じゃあ、機密文書には何が書かれているのでしょう? こわいっ!(国内在住、女性)
米軍は200Km圏へ測定範囲を拡大する前に、40Km圏の、放射線量の極めて高い地域の測定を行っています。この測定結果は、ファイル名が奇妙で、原文の中で1行だけフォントが違う箇所があります。また、機密扱い(CLASSIFIED)、非機密扱い(UNCLASSIFIED) いずれなのか記載されていません。
シャラポアはチェルノブイリを決してわすれない
http://hahatoko.blogspot.com/2011/10/blog-post_20.html
チェルノブイリの影響で奇形で産まれた子とか、そういう映像を見せないとわからないのでは?
(国内在住、自主避難された女性)
米軍による200Km圏の汚染状況の実測結果
http://hahatoko.blogspot.com/2011/05/km.html
P.9
有名なチェルノブイリ(1988年)以前の、オークリッジ研究所の被ばく例を出してあることは、とても良いと思います。チェルノブイリも3行ほどの長さで、オークリッジへの比較として、少しだけ触れたらより深刻さが出るのかもしれません。
今回の事故と比較されることの多い、チェルノブイリの被害の数字は、読むものによってまちまちなので、チェルノブイリだけを例としてあげるのは無理があるように思えるのですが、もちろん原発事故として比較にはなると思います。(国内在住、女性)
追記 2012/1/9
米国核施設オークリッジ研究所での労働者の被ばくの事例は以下のページに移動しました。
「50年たたないと誰も、答がわからないということ?」
http://hahatoko.blogspot.com/2011/11/blog-post_05.html
実は2011年4月ころから、チェルノブイリ原発事故の恐ろしさを伝えるべきだというアドバイスはいただいておりました。 当時 hahatoko としては、チェルノブイリ原発事故の事例から、日本でこれから起こることを予測するのは、難しいことではないか、と判断しました。
しかし今は違うと思います。
チェルノブイリ原発の事故の影響については、信頼できる情報提供をお待ちしております。
米国オークリッジ研究所の事例を持ち出した理由は、
(1)当時は健康に害がないと考えられていた50mSv未満の低線量の被ばくによって、被曝から20年の間に、大勢の労働者ががんや白血病で死亡した可能性がある。
(2)その事に対して2000年、米国政府が責任を認め、巨額の国家賠償を行ったと考えられる。
(3)したがって低線量の被ばくや内部被ばくの危険性について、米国政府は今の私たちに必要な情報を持っていると考えられる。
の3点です。(hahatoko)
つづく・・・
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